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西園寺を見送った後、氏家は葉巻に火を点け、天に燻らせる
「その気になりゃ、お前一人この学園から消せるんだよ。だがそうしないのは…」
「あのクソガキが。消えるのはてめぇの方だ西園寺!」
氏家は、西園寺を消す為にO組の生徒を利用しようと考えた
その頃西園寺はO組のクラスの授業(LHR)を開始していた
「さて…自習。」
授業を開始したとしても、O組の生徒に授業を教える事は禁じられていた
理事長が作った鉄のオキテ…
授業はおろか学園行事等もO組に行う権利はなかった
自習といっても…本当に自習する人は5人ほどしかいなかった
携帯電話を弄る生徒に、ポーカー、DS等の携帯ゲームをやる生徒それぞれだ
一方西園寺は理科の教科書を見ていた
そもそも多数の生徒が騒ぎ立てれば皆も伝染したように騒ぎ出す
自習を真面目にやる生徒にとっては集中など出来ない
すると突然、一人の生徒がキレた
「煩いんじゃ! 毎日毎日馬鹿みたいに騒いで、邪魔なんじゃ!」
この生徒の名は【楠田 逸平】
進学を希望する生徒だ
「あぁ? 何優等生ぶってんだ。てめえ面出せや!」
逸平の喧嘩を買ったのは【城ヶ崎 基 】クラス一番の暴れ馬だ
「二人とも落ち着け。邪魔なら城ヶ崎…お前等帰れ。」
「あぁそうかそうか! わーったよ、帰りゃいいんだろ帰りゃ!」
「基! 待てよ。西園寺…お前やっぱ松山と同じだね? クズはすぐ見棄てる。帰るぞ耕平。」
ぞろぞろと教室を出て行くO組の生徒
「んんと、磐田、耕平、城ヶ崎…
早退した生徒を確認した後、出席簿にばつ印を点けた
「……ねぇ先生。あんな事言われても、まだ私達の担任をやるの?」
「絶対先生も同じだろ。俺達クズの面倒見るだけでお金貰えるんだから…楽だね。」
一人、また一人西園寺という男を見下げていた
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