商人からのお買い物

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わさわさと尻をまさぐられる。 不死者には不老不死の体の代わりに触覚と嗅覚と味覚がないから、どれに触れても皆一緒。 視界にに入れれば、位置を把握して触れることも握ることも問題がない。食事は体感覚として口の位置を覚えているらしく、口をあまり汚すこともなくできる。 とりあえず、尻の位置は教えたけれど、穴の位置は教えていない。 しかも、向かい合う状態であるから、尻の形なども捉えられない。 つまり、意地悪をしているわけで。 「えーと、やっぱり見ながらでないとわからないなあ……」 ついに、不死者が根を上げた。 「……このままなのもじれったくはあるんで、仕方ないからむこうを向いてあげます」 「わあ、ありがとうー」 尻を触られたり掠められたり太ももに触れられたりでくすぐったいような気持ち悪いような複雑な気分と感触にさらされ続けるのもいい加減辛いところであった。 恥ずかしいけど。 もう何十年何百年生きているのか知らない不死者の気の長さは想像を絶するので、こちらが幾ら意地を張っていてもいずれは根負けしてしまうのが見えているので、諦めざるを得ない。 恥ずかしいけど。 水をバシャバシャ立てながら反対を向く。 すると、不死者はあっさり見当をつけたらしく、尻の谷間を広げる感触が。 異物が侵入してくる。わかってはいたけれど、こちらが見えないとなると幾ら覚悟していても足りない。思わず体が強張る。 「ん……あれ、指が進まなくなったかも……」 そりゃそうだ。普段排出だけするところにわざわざ異物が入っているのだから気持ち悪くて塞ぎもするさ。 塞いでるにもかかわらず、指は穴の中で内壁をぐるりとなぞったり、指先を小刻みに曲げたり伸ばしたりして蠢いている。 「食人鬼くん、もしかして緊張してたりしてる?」 「緊張どころか、不快な気分です」 「うーん……困ったなあ……これじゃ、図のようなところまで指が届かないよ」 「動きが悪かったならぬるぬるしたものでも加えれば」 この言葉に僕は後悔することになる。
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