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「コーヒー1つお願いします。」
聞き覚えのある声に思わず心臓が跳ねる。
(え…)
久々に見る柳瀬さんは相変わらず爽やかな笑顔を見せていた。
「あ、りがとうございます。」
「久しぶりですね橋本さん。こんな時間までお疲れ様です。」
「あ…いえ…」
「仕事が忙しくなって、ダイヤ改正したことも忘れていました。気づいたら橋本さんに会えなくなってしまいました。」
柳瀬さんの一挙手一投足から目が離せない。
口から飛び出そうなくらい心臓はドキドキとうるさい。
コーヒーを淹れる手が心なしか震える。
「熱いので、お気をつけ下さい。」
細心の注意を払って、簡易テーブルの上にコーヒーを置く。
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