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「この後、新幹線降りたら時間ありますか?」
「は?……えっ!?」
思わず、柳瀬さんの顔を見る。
「お茶でもしませんか?」
爽やかに笑っているけど、その眼に真剣な雰囲気を感じた。
「や、その、えっと……はい。後片付けとか、事務処理とかありますけど……」
「じゃあ、適当に時間潰しているので終わったら連絡して下さい。」
そう言って、名刺を渡された。
思わず受け取ってしまった。
「あ、あの…その、今日まさか、会えると思わなくって、けど会えて嬉しいです!」
早口にそう言うと、一瞬驚いたような表情を見せたが、柔らかく微笑む柳瀬さんと目が合った。
「っ…」
思わず視線をそらしてしまった。
俺の顔はきっと真っ赤にちがいない。
心臓はとっくの昔に制限速度を超えている。
「お、わったら連絡しますっ!遅くなってしまったらすいませんっ!!」
俯いてそう呟いた。
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