可愛いオオカミ

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誕生日も、GWも、お盆も体育の日も勤労感謝の日も冬至とか丑の日とかクリスマスもお正月も――っ……ハァ……ハァ……。 ずぅーっと焦ってるのに、理想の人は現れない。 だから私、独りイベばかりでとうとう今年、二十四。 来年は四捨五入したら三十よ、ナイわ~。 こうなったらもう、高い理想を追い求めるのは止めた。はっきり言って何でもいい。 誰か、私とイベント過ごして。 そんな脳内独り言に大山くんが疑問を投げる。 「先輩の理想ってどんな感じの人なんですか」 なんて訊いてくるから、これが最後とばかりに高い理想を並べまくった。 「えっと、身長は勿論高くて二メートル位、骨格はガチガチの骨太でプロテイン大好きなムキムキモリモリ、フランケンみたいな怒り肩の四角い顔立ち? 大木の様な逞しい身体に、皿ごと呑み込めそうな程の大きな口元があれば完璧ね」 あぁ、そんな人に食べられたかった。 「……難しそうですね」 「そうね、出会えなかったわ、一度も」 ハァ……とついた溜め息と同時に朝礼が始まった。
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