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「過ごしますよ。だから先輩、チョコ下さい」
「ふへ?」
そんなにあるのにまだ欲しいの大山くん、チョコずき?
「先輩のチョコ、誰かあげる人が居るんですか?」
「……」
そう問われれば返す言葉なんて一目瞭然。……っう、……うぇっ、ひぃっ、く……びゃ~ん。
と単語ゼロの濁音のみで。
「嬉しいな、先輩と食事」
「……うっ、ひっ、どご、……うぇっ、どごにいぐのぉ~」
手を引かれ、「こっちこっち」と言われるままに、駅に着き電車に乗り、気がついたら。
「楽にして下さい、今お茶煎れます」
大山くんちのリビングのソファーに座っていた。
あれ、あれれぇ?
テーブルの上には私のチョコ。
「お待たせしました」
隣にニコニコの大山くんがやって来る。
暫く頭を捻って考えた、あ、そうかそうか成る程ね。
純情ボーイの大山くん、きっと女性なんてまだまだ早くていや寧ろ中身は女性なのでは……って、えっ、ちょっ、大山くん!?
「菜々子先輩、可愛いですね、だけど警戒心が足りなさ過ぎて、僕ちょっと心配です」
眉を下げて近づくお顔は萌えっとくる程にカワユイけど。
ちょっ、手……?
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