同級生

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 易という文字が見える。スマホで易という漢字を調べたら、所謂「占い」という事らしい。一見すると年齢不詳な易者が目を閉じて座っているのが、見えた。  「なぁ。俺、会社を辞めようか迷ってるんだけどさ。どういう未来か、占ってみてくれないか」  声を掛けてるにも関わらず、相変わらず目を閉じたまま。寝ているのかもしれない。チッと舌打ちをして立ち上がろうとした所で。  いつの間にか、両目を開けて、しかと俺の顔を見ていた。その勢いに目を逸らす事が出来ない。  「……近々普段とは違う事がある。それがきっかけになろう」  ものすごいアヤフヤな事を言われた。  「どういう意味だよ!」  問い詰めたら、もう寝ている。むかっ腹を出して帰ろうとしたら  「金を置いてけ」  なんて言われた。寝たふりかよ、喰えない奴だな。
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