同級生

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 完全なぼったくりに引っ掛かったとは思うものの、支払わないでいて、何があるか解らない。悔しいが支払った。  クサクサする思いで帰宅し、翌日は散髪やら家の用事やら済ませて、日曜日を迎えた。  同窓会の会場は、同じ都内だからギリギリまでマンションから出ない、と考えていたのだが。考えてみたら、彼女の誕生日プレゼントを買っておく方が良い、という事に思い至り、早めに自宅を出た。  彼女が欲しがっていたダイヤモンドのプラチナチェーンのネックレスを買うと、そのまま会場であるホテルに足を伸ばした。  「おい! 苑部! 苑部だろ?」  幹事の河村が驚いた表情で、歩み寄って来た。俺は応える為に片手を挙げた。
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