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「なんだ、悩みか?」
河村のこういう気配りが同窓会の幹事に向いている。
「ああ。……ちょっとな」
「なんだ。言えない事か?」
河村が笑いながら言う。俺も笑う。この瞬間、大学時代に戻ったような気持ちになった。だからだろうか。あの頃のように気軽に話せる気になったのは。
「いや、今の会社を辞めようかな、と思っていてな」
さすがに、河村が驚いた表情をした。
「な……お前、辞めるって、大企業に就職をしているんだろう!?」
「ああ。だけど俺は、今の仕事に疑問を抱いていてな。自分で会社を立ち上げようか、と思っている」
河村が俺の話に、さらに驚く。
「どういう会社だ?」
「所謂ベンチャー企業さ。今、福祉が注目をされている。そっち方面で、な」
俺は胸の裡を話してスッキリした。
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