紅一点

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 気持ちが揺れたのだろう。監督がピンクの顔を見た。  「セリフを覚えられれば、2ヶ月。やってみるか?」  「やらせて下さい!」  頬を紅潮させてピンクが頷くのを私はしっかりと見ていた。  カメラテストは良好で、代役は確定した。本家ピンクは、強くなるための修行に出たというストーリーにして、その間、本家ピンクの従姉妹として私達のピンクが出演をする、ということになった。  勿論、スーツアクターはピンクがそのままやる。世間向けに、きちんと本家ピンクがケガの療養をする事を発表もされた。代役がスーツアクターということも。  子ども達から拒否される事なく、スムーズに受け入れられたピンク。問題は、本家ピンクのアイドルグループファンの方だった。
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