天空の家

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・・・  わたしはこういうことに対して、うぶな女でも鈍感な女でもなかった。  男性のーーましてや恋人といっても過言ではない人の家に行くとなったら、必ずこういうことは想定に入れていたはずだ。  しかもわたしは性欲をしっかり”摂取”したい人。睡眠欲と食欲と同じように。セックスレスなんて考えられない。だって食欲に換算すると、ごはん食べてないのと同じことでしょ?  それなのに、すっかり忘れていた。  というのもこの一年は妙なことに性欲がまったくなくて。14歳の女の子みたいに。  たぶん理由は、水樹先生に会う前に付き合っていた男性といざこざがあって、もう当分男はいいわと飽き飽きしていたからだと思う。  食欲がないときに食事はいらないように、性欲がないときはセックスはいらないみたいな、そんなロジックで忘れていた。  その一年が、彼の一声によって幕を閉じたの。 ・・・
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