冬の休暇

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「いつの間に買ってくれたの?」  あれから一度も別行動をしていないのに。 「ユリがうちに来た次の日の午前中に……きみが寝ている間にネットで注文したんだ」  そういえば、わたしが目覚めてリビングに行ったら、彼はパソコンを開いていたっけ。あのときはてっきり仕事をしているのかと思った。  さらには彼はあのときも、考えていてくれたのだ。居酒屋さんで”女性はなにが欲しいか”と聞いたときに。わたしが思いつきでペンダントじゃないかというと、彼は興味がなさそうにしていたと思ったけれど。クリスマスのことを意識していてくれていたとは(今回は時間がなかったけれど、誕生日にはなにか”作って”くれるらしい)。  わたしが大切にすると言うと、彼は照れくさそうにしていた。  思うに彼は、決して人付き合いが下手なわけではない。コンピューター・グラフィックスをプレゼントしようとしたのだって、一番喜ばれると思った結果だったのだ。ただ彼はちょっと世間とは違う基準で生きている。わたしはそんな彼がすごく好きだった。  まぁそういうわけで、癒しの家で、大好きな人と一緒にいたから、休暇中はほとんど出掛けなかった。外に出たのはレンタルの映画と食料調達にに行ったくらいか。  あと一度だけ調味料を買いに輸入品の店に足を運んだ。食材を調達して家で作るにしても、誠のキッチンには調味料が全くなかったから。スーパーでは手に入るものの種類に限りがあるし、どうせなら豊富に選択肢があるところで揃えようと思って、車を出してもらった。
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