冬の休暇

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 海外のお菓子やお茶、レトルト品やコーヒーが取り揃う輸入品の店は、誠の家から一駅分ほどしか離れていない。わりと有名なところで、わたしは電車で何度か来たことがある。  店内に入って、わたしは小ぶりのカートを押した。誠は普段こういうところに来ないのだろう、きょろきょろしている。  えーと、お砂糖とブイヨンと……お気に入りのミルのついた岩塩が品切れかと思ったら、上の方に発見した。 「誠、その棚の上のお塩とってくれる? Himalayaって書いてあるやつ」 「これか」  彼は苦労もせず棚の上の在庫のところから取ってくれた。 「コチュジャンってなんだ?」  岩塩の下にあった赤い瓶が気になったようだ。 「韓国のお味噌よ。甘辛くて、ビビンバとかチヂミにつけるやつ。あ、ハインツのトマトケチャップもお願い」  誠はまた取ってカゴに入れてくれた。 「コチュジャンはいらないか?」 「いらないわ」  まだかなり基本的なものを揃える段階なのに、月に何回使うかわからない調味料はいらないだろう。彼は「そうか」と言ってちょっと残念そうに棚へ戻した。 「…だけど今日の晩ご飯がビビンバで良かったら、それが必要だわ」  誠は嬉しそうに再びそれを手にしてカゴへ入れた。
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