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声の方を振り向くと、水樹先生が資料とマグカップを持って立っていた。
「え?あぁ、セミコロン…」
少し反応が遅れたが、言われた通りにキーを叩いたらエラー表示が消えた。そしてチャートが現れた。
「できた…」こんな単純なことだったのか。
「よかったねーじゃあ私行くから」
「ん、いってらっしゃい」
机に置いたカバン類をとってあかりは立ち上がり、彼女が去るのを見送った。同時に辺りに人が増えていることに気付いた。軽食を買いにきた人たちが列をなしている。
「水樹先生、よろしかったらここ座ります?」
ちらほら空席はあるもののどこにも鞄や上着が置かれており、一人で落ち着いて座れるような席が見当たらないから。わたしは通りかかった助言主に空いたばかりの席を勧めた。
「助かる」
彼は椅子を引いて座った。
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