出会い

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 整った顔立ちだ。初回の講義でも思ったけれど、間近で見てもそう思えるのはすごい。肌はきめ細く、顔のパーツの配置が左右等しい。手入れをしている綺麗さではなく生まれ持ったものだろう(ちょっと彫刻みたい?)。  今日は眼鏡をかけていない。講義やパソコンを使うときにだけかけるのかしら。レンズ越しには気がつかなかった深い茶色の瞳は、強さよりも柔和な印象を与えている。 「きみは僕のプログラミング基礎に出席している、」 「えぇ、石村百合と申します」  軽く会釈した。 「石村くん…何年生だ?」 「四年です」 「四年…」  水樹先生はコーヒーを啜り、何か考え込んでいるようだった。 「どうかされました?」 「…なぜ僕はきみを知らないのだろう?」 「…」  ”なぜわたしが先生を知らないか”だったら、わたしに聞く理由はわかる。しかし”なぜ自分がわたしを知らないか”の答えをわたしに求めるのは、なにかお門違いな気がする。  いや、もしやこれは独り言で、わたしに質問しているわけではない…のかしら。うーん、変わった人。
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