コーヒービーカー

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「大変ながらくおじゃましました」  わたしは悪びれもせず、最後に音符マークをつけて言った。 「全く邪魔ではなかったし、楽しかった」  水樹先生は、ドアまで見送ってくれた。 「わたしも楽しかったです。このコーヒーメーカーでコーヒーを頂けなかったのはちょっと心残りですけど」  最後にまた彼の手作り品に目をやった。 「すぐ直るからまた来るといい。火曜日は登校するんだろう?」 「えぇ、先生の授業に出るために。先生は…きょうはたまたまこの時間が空いてらっしゃったんですか?」 「毎週空いている。火曜日の講義は午前中の二コマときみの受けている三限で終わりだから。だいたいその後はここでコード入力か…作り物に励んでいる」  この人はユーモアのセンスがあるみたい。来週またくることを告げて研究室を後にした。
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