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授業が終わり、”さーてコーヒーコーヒー”と立ち上がったら…呆気にとられた。
水樹先生のもとに質問者の列ができている。先週まではさくっと帰宅していたから気が付かなかったけど、授業後に質問する人ってこんなにいるのね。
わたしはもう三十分はお預けをくらうことを覚悟で座り直した。
「待たせて悪かった、僕の方から誘ったのに」
前に二本の脚が伸びていた。わたしは目を上げて本を閉じた。
「いいえ、どこでも読みますし」
気が付くと講堂には二人しかいなかった。先ほど後扉が閉まる音がしたのは、最後の生徒の帰宅音だったらしい。
水樹先生とは前扉から出た。わりと入り組んだ道を通って別館にある研究室へむかう。
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