173人が本棚に入れています
本棚に追加
/121ページ
・・・
階段を上って外に出ると、気候は生暖かかった。日中は暑かったけど、さすがにこの時間になると落ち着く。
「ごちそうさまでした」
先生にお礼を言った。あの後も散々食べて、散々話した。
水樹先生も結構な映画好きで『映画史上で一番好きな場面は?』とか『一日だけ入れ替われるなら、どのキャラクターがいい?』とか、くだらないことばっかり話してた。なのに無性に楽しくて名残惜しいくらい。
腕時計を見ながら次の行き先を迷っている先生も、そう思ってくれているかしら。
「もう一杯飲みにいくか、そろそろ22時を回るからどこかで酔いを醒ますか」
「あ、」ここなら、あそこが近い。彼女に先生を紹介するのはちょっと不安だけど。
「どこか浮かんだか?」
「酔いを醒ますなら…夜の喫茶店にでも、行ってみます?」
最初のコメントを投稿しよう!