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「うわ、人多い」
わたしたちは午後からはじまる例の講義に出るために、カフェを出て学校の本館へ向かった。あかりの言う通り、教室は結構なぎわい。
つまらなかったら抜け出せるように座ろうとしたドア側の席は諦めて、反対側の窓際へ移動した。前から十列目くらいの、二つ連続で空いていた席に着席。工学部系は九割が男性なのに、ここにいる男女比が半々くらいなのはその噂の先生のせいかしら。
「ギリギリまで寝てるから」
「はいはい」
カフェのとき同様に机にうつ伏せた彼女を横目に、わたしは先ほどの本の続きを読み出した。
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