はじまり

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怜那が中心となっとるって気付いたんは、ソレが始まってしばらくしてからやった。 グループ内の誰か1人だけを無視する。 あたしらのグループは、クソやった。 その中心が、怜那。 初めは、杏。 次に美由。 それから、あたし。 桜と空は、仲良くなったばかりやったけ、被害なし。 あたしに回ってきたんは、修学旅行当日やった。 「おはよー」 「…おはよ」 朝あいさつした時点で分かった。 あぁ、あたしに回ってきたんや。 …面倒くさいなあ。 それからの一泊二日、写真におさめられとんのは 作った笑いの上にまた、嘘の笑顔を貼り付けた     …人形やった。 修学旅行から帰って来てしばらくたったある朝、教室に入ると 「あ、莉菜おはよ~!!」 …あ、終わったんか。 昨日であたしは終わり。 もう、こんな事無いやろ…。 ソレが間違いやとは、思いもせんかった。 怜那の次のターゲットは、    美由やった。 今思えば、美由もつらかったやろうな…。 ただ、あたしも中々辛かってんで? 美由の次は   …また、あたしやったから。 今度は無視するだけや無かった。 何も関係ないはずのクラスメートに 「これ、怜那達から莉菜に渡してって頼まれたんだけど…」 と、ぐしゃぐしゃに丸められた紙を貰った。 何やこれ… 開いてみると ありったけの悪口が書いてあった。 思い出したくもない。 でも、もっと辛かったんは  話してくれようた桜に   裏切られたこと。 ある日の帰り。 教室から出ると、偶然1人でいる桜と会うた。 「あ、莉菜じゃが!  途中まで一緒に行く?」 桜は結構誰にでも話してくれる人やから、あたしも普通に接した。 (…学校で同級生と話すなんていつぶりやろ…) うちの学校の二つある階段のうち、教室に近い方からあたしたちは降りていった。 他愛もない話をしながら。 すると、もう一つの階段から降りてきたらしい怜那達にバッタリ。 次の一言。 「桜~そんな奴と一緒に居ったら桜まで汚れるよ~?(笑)」 だ、そうな。 そう言われたことも少しショックやったけど、それより 「そっか~そだね!!」 って、簡単に捨てられたらことの方が辛かった。
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