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次の日の昼休み、あたしは校長室に呼ばれた。
そこには校長先生と、担任の先生、司書の先生と…
知らない男女2人が居た。
「莉菜ちゃん、急にごめんね?
…腕、見せてもらってもいい?」
あぁ…やっぱ先生分かってしもうたんか。
あたしが頷き、袖を捲る。
そこには、
所々、色が変わった肌があった。
「これは…どうしたのか、話せる?」
「…ぇと…」
どう言えばえぇんか分からん。
ただ…言うたら何もかんも終わってしまう気がした。
「実はね、こちらのお二人は児童相談所の方なの。
莉菜ちゃんを助けるために、来てくれたの。」
すると2人は、あたしに名刺を渡してきた。
「森下です。こっちは坂井。
莉菜ちゃん、私達に本当のこと、話してくれない?」
女の人…森下さんが言った。
「上手く話そうとしなくていい。
もし、なんなら私達の質問に答えてくれるだけでいい。」
男の人…坂井さんが言った。
あたしは頷いて、覚悟を決めた。
「…そう。そうだったの。」
一通り話し終えると、校長室は静まり返った。
「ごめんなさい、莉菜ちゃん。ずっと気付いてあげられなくて…」
司書の先生はずっと、あたしの隣にいてくれとる。
向かいでは、森下さんと坂井さんが話し合っとった。
「莉菜ちゃん、ごめんけど腕の写真撮らせて?」
森下さんに言われるまま、あたしは腕の写真を撮った。
「じゃあ、莉菜さんはこちらが保護いたします。」
坂井さんは校長先生と話し始めた。
「莉菜ちゃん、あなたは今、お家に帰っては駄目なの。
このまま、同じ日々が続けば、莉菜ちゃんは、心も身体もこわれてしまうから。
だから、私達と一緒に来てくれる?
絶対、あなたを救ってみせるから」
森下さんは、言い含めるように区切り区切り話した。
壊れる?
何言うとんの?
壊れる訳ないよ。
だってあたしは
人形やもん。
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