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「あー、疲れた」
営業終了後、控え室で座りながら心の声を口に出した
嘘ばかりつくのは意外と疲労がたまるものだ
高い賃金をもらうのだからそのくらいの労働は当たり前なのだけど
盛大なため息をつきつつ真っ白なドレスから私服に着替えてタバコをくわえる
カチ、という音と共に肺に快楽物質が流れこんでくる
幸せ、とバイト後の一服に満足しつつ隣に座る大学の同級生のあみと話す
「みゆお疲れ、メイクよれてる、はい、鏡」
「え、ほんとだ、やば、こんな顔なのに斉藤さんあたしのこと好きとかよく言えたね」
「あはは、前来てた人でしょ?いい人そうじゃん、簡単で。」
あみの言葉にまぁね、と同意の言葉を返す
結局あの男はラストの時間までいてようやくさっき帰っていった
アフター行こうとしつこかったけどキッパリと断って笑顔で手を振った
なんで営業時間外まで知らない男に笑顔を振りまかなきゃいけないのか
この仕事はただのアルバイトであり本業ではないことは伝えてあるのに
賃金が発生しないなら私の笑顔も発生しないと分かって言ってるのだろうか
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