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「…アイツ、この前はあんな風に言ってた癖に」
「ん?何か言った?」
「いや、何でもない」
ジト~っとこちらを見るアイカに、さすがに本当のことは言えなくて笑って誤魔化した。
カンナがエティアと共にこの惑星に来てすぐの時に、ある遺跡の調査を二人で行っていたときのこと。
あの銀河一の歌姫とのことが気になり、カンナにエティアとどういう関係か問いかけた。
縁がある者とは思っていたし、答えもある程度は予測もしていたが、カンナの答えはリュウの予測以上のものだった。
大切な存在だと、聞いてるこっちが恥ずかしくなるほどにエティアへの想いを口にしていたのに、彼はその相手の目の前で他の女の子の肩を抱いている。
直情型のカンナがエティアにヤキモチ妬かせる為にわざとやっているとは考えられず、こいつ天然のタラシか?とリュウは心の中で毒づいた。
あれじゃエティアも苦労するなと、少しだけ彼女に同情した。
その彼女はクレアと一緒にいたというマネージャーのグレイスと何やら話し込んでいて、カンナとクレアはクレアの兄だというシュルクに引き離されていた。
「お前では力不足だ。クレアもエティアも俺が守る」
「何だと!?」
シュルクの一言に逆上したカンナが噛みつくが、相手は涼しい顔。
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