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いつからこんな生活をしているのだろう。
新品のような、真っ白なシーツ。部屋に運ばれてくる朝食。
カーテンなんて触れたことなんてあったっけ。
私のことはメイドがほとんどやってくれる。
着替えから、髪の毛のお手入れまで。
まるで私はお人形。
今日もそんなお手入れをされて、一日が始まった。
「シルク様、今日はいい天気ですね」
髪の毛を梳きながらカトレアが言った。
窓を見ると、そこには青々とした夏の空があった。
たしか昨日は雨だった気がする。
1日でこんなに天気が良くなることなんてあるのか疑問に思う。
「でも、暑いのは苦手」
「そうですか? 私は好きですよ」
「だって、太陽の光が強すぎるもの」
「でも、いいことだってありますよ」
「例えばどんなこと?」
「お洗濯物もすぐ乾くし、傘で手が塞がれることもありません。何より暖かないい香りを感じられるじゃありませんか」
「そうかしら。今日みたいな雲一つない空は何だか寂しそうに見えるわ」
そういうと、窓のほうを見つめた。
窓の外では2匹の小鳥が鳴きながら飛んでいる。
「いいえ、見てください。鳥たちがあんなにも楽しそうじゃないですか。」
私は、そうねと素っ気ない返事を返した。
目線を戻すと、少し顔を歪めたカトレアと、まるで古びた絵画のような表情をした私が鏡に映っていた。
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