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「僕は《レイ》……それからこの子は僕の双子の妹の《ルイ》です。今日から貴女のお世話係になりました。よろしくお願いしますね」
そう言って少年がニッコリと笑みを浮かべると、二人は深々と頭を下げる。
……双子。
その単語を心の中で繰り返すと、彼等を見つめた。
少年の言った通り、二人の顔はよく似ている。
それどころか背丈も同じくらいで、もしも少年が女装でもしたのなら見分けはつかないのかもしれない。
それに二人はかなりの美男美女だ。
見る者全ての心を惑わせるような……そんな妖しい魅力を感じた。
「今からお部屋にご案内します」
ルイと呼ばれた少女はそう言うと私の足元に立った。
すると毛布から出ている私の足を見て、少女は微かに笑みを浮かべる。
「まぁ可哀相に……暴れたせいで血が滲んでいるわ」
そう言って少女は妖艶な笑みを浮かべると、そっと私の足に口付ける。
それから彼女の舌が私の傷口を這い、鈍い痛みと熱さを感じた。
「や、やめて!!」
少女の熱い舌の感触に思わず足を引くと、それを見て二人はクスクスと可笑しそうに笑った。
「後でちゃんと手当をさせて頂きます。痕が残ったら大変だ」
少年はそう言うと私の腕を拘束していたベルトを外した。
勢いよく身を起こし、自由になった手で毛布を強く抱き締めると、窺う様に彼等を見つめる。
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