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「そう言えばその後ろの子は?新しい子かな?」
男はそう言うと私を上から下まで舐めるように見つめる。
男のその眼は何故か深い闇を思わせ、ゴクリと息を呑んだ。
その不快な行動を咎める様に男に鋭い視線を向けると、男はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
「凄くいいね。……気に入った。この子を俺に売ってくれないか?君達の言い値で買おう」
男はそう言って窺う様に双子を見つめた。
「黒咲様、申し訳ございませんがこの子は商品では無いので」
「それでは……もしかして隼人君のお気に入りかい?」
「はい」
少年の答えに男は驚いた様に目を見開くと、またマジマジと私を見つめる。
「それは……可哀相に」
そう言って男は嘲笑を浮かべ、憐れむ様な目で私を見つめた。
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