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第二話 愛憎の瞳
「俺が怖いか?」
男はそう言って私の震える頬に触れた。
ギュッと目を瞑ったまま男の問いには答えずにいると、男がクスリと笑う吐息が聞こえた。
「どうして……こんな事するの?」
震える声で問いかけると、男は困った様に笑って私の髪を撫でる。
「何も知らない可愛い天使……か」
男はそう歌う様に囁くと、クスクスと笑い続ける。
「あいつは今……どんな気持ちだろうな?」
「……あい…つ?」
男の呟きを同じ様に繰り返して返すと、男は小さく頷いて見せた。
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