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「茜(アカネ)、お前の父親……片瀬浩之(カタセ ヒロユキ)だよ」
「お父……さん?」
震える声でそう問うと、男は歪んだ笑みを浮かべて私を見つめた。
「言っただろ?これは復讐なんだよ。お前の父親……片瀬浩之へのな」
男は私の耳元で甘く囁くと、ポロポロと零れる私の涙を舌で拭った。
男の熱い舌が頬を這う感触にビクリと体を強張らせると、そのまま激しく唇を奪われる。
「……んっ……い……や……っ……」
微かに男の血の味が広がり、それと同時に男の舌が口内を荒々しく掻き乱す。
そして次の瞬間、男の手が私に掛けられていた毛布を剥ぎ取った。
「……いやぁあああっ!!」
男に一糸纏わぬ姿を晒し、羞恥心と言い表せない恐怖が体を支配する。
逃げようとガチャガチャと手足を動かすが、やはりそれは無駄な抵抗に終わった。
男は暴れる私を歪んだ瞳で見つめたままクスクスと笑うと、手にした毛布を私に見せつける様に床に落とす。
パサッと毛布がコンクリートの床に落ちる音が聞こえると同時に、男は露になった私の胸にそっと指を這わせた。
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