第二話 愛憎の瞳

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「茜(アカネ)、お前の父親……片瀬浩之(カタセ ヒロユキ)だよ」 「お父……さん?」 震える声でそう問うと、男は歪んだ笑みを浮かべて私を見つめた。 「言っただろ?これは復讐なんだよ。お前の父親……片瀬浩之へのな」 男は私の耳元で甘く囁くと、ポロポロと零れる私の涙を舌で拭った。 男の熱い舌が頬を這う感触にビクリと体を強張らせると、そのまま激しく唇を奪われる。 「……んっ……い……や……っ……」 微かに男の血の味が広がり、それと同時に男の舌が口内を荒々しく掻き乱す。 そして次の瞬間、男の手が私に掛けられていた毛布を剥ぎ取った。 「……いやぁあああっ!!」 男に一糸纏わぬ姿を晒し、羞恥心と言い表せない恐怖が体を支配する。 逃げようとガチャガチャと手足を動かすが、やはりそれは無駄な抵抗に終わった。 男は暴れる私を歪んだ瞳で見つめたままクスクスと笑うと、手にした毛布を私に見せつける様に床に落とす。 パサッと毛布がコンクリートの床に落ちる音が聞こえると同時に、男は露になった私の胸にそっと指を這わせた。
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