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花を見つめていると雪さんが日本茶を運んできた。彼女は不思議と僕の好みを理解していて、今僕が欲しいと思う飲み物を持ってきてくれる。
僕が何も言わないのに…
『雪さんは花が好きなの?』
ふと聞いてみた。彼女は微笑むと僕の問いに答えた。
『アツシさんがスタジオを使われるときには、できるだけ花を飾ろうと思ったんです。アツシさんのラブソングは本当に素敵ですから…何て言うか、少しでも気持ちが和らげばと思って…』
その言葉を聞いて僕は雪さんをじっと見つめてしまった。
そうか。多分彼女が僕に対してさりげなくしてくれている気遣い。それがきっと心地よくて…僕はアルバムの製作に打ち込むことができたんだ。
彼女は少しだけ眉を下げて
『花を飾ったからいいラブソングができるなんて、単純なものではないんでしょうけど…』
照れ臭そうな笑顔を向けた彼女に、少しだけ僕の心がときめいた。
何故だろう…彼女を見ていると、とても優しい気持ちになれる気がする。
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