第1章

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彼女が頭を下げて僕に背を向ける。僕は彼女が淹れてくれたお茶を一口飲んだ。 またちょうどいい温度。彼女が淹れてくれた飲み物を残した覚えがない。いつもなら飲み物を最後まで飲むなんて、あまりなかったことなのに。 それから何気に過ごしながら気づいていく、彼女の気遣いの一つ一つ。 仕事に対してすごく責任感があって、見た感じは冷たい美人… でも笑うと子供みたいにあどけない表情を見せたりする。 でもこの時はまだ彼女のこと、気の利く女性だとしか思っていなかった。 あの時、あんな彼女を見るまでは…
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