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「レイ様とルイ様は今日もお忙しいみたいですね。特に今日は夜光会(やこうかい)があるそうですし」
「夜光会?」
「この夢幻楼の上客を御持て成しする会だそうです。定期的に開かれているらしいのですが……私は階級が低い身分なので詳しい事は分かりません。ただ上流階級しか入れない特別な集まりだそうです」
リイサの説明に小さく頷いて返すと、そっと紅茶を口にする。
……彼も……そこに居るのだろうか。
不意にそんな考えが頭に浮かんだ。
結局あれから彼に会う事は無かった。
私に真実を告げた彼は、やはり私を避けている様だった。
これから一体どうなるのか。
それを誰に聞いても……返って来るのは《分かりません》の一言だけ。
「どうなるのかな……これから」
そう小さく呟いた、その時だった。
私の目の前に座るリイサが、何かに驚いた様にハッと目を見開いた。
その彼女の視線は私の後ろに注がれ、それから少し緊張した様にゴクリと息を呑んだのが分かる。
その彼女の視線を辿る様にそっと後ろを振り返ると、そこには冷たい人形の様な顔をした眼鏡の男が立っていた。
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