第二十四話 宵の誘い

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「さ、榊原さん」 そう彼の名を呼ぶと、彼は私に向かって小さく頭を下げる。 「こちらに居られたのですか。少し探してしまいました」 彼はそう言って困った様に笑うと、私に向かって何かを差し出した。 「こちらをお渡ししようと思いまして」 その彼の言葉と共に差し出された……真っ白い封筒を見つめる。 「これは?」 「……夜光会の招待状です。これが無くては中に入る事が出来ないですから」 私の問いに彼はそう言って凍りつく様な微笑を浮かべる。 「や、夜光会って……私も出るんですか?」 「勿論です。貴女は隼人様のご寵愛を受ける御方だ。夢幻王の愛玩物が王の傍に居るのは当たり前の事。貴女にも必ず出て頂きますよ」 彼はそう言うと私にそっと封筒を手渡した。
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