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「そうだったんですか?」
「えええ!?
あの、私、重ね重ね失礼なことを…。
ごめんなさい!」
ソファから滑り落ちて、土下座でもし始めるんじゃないかって、勢いで謝られている。
「大丈夫ですよ、顔を上げてください!」
「あげられません!
もう申し訳なくて、恥ずかしくて…。」
確かに気分のいい話をされたわけでもないし、昔を知らない人にまで、昔の話をされていることも知ってしまった。
今だに、面白くないと思っている人もいるみたい。
それも少し怖いと感じた。
だけどそれとこれとは別の話で、有村さんはちょっと正直すぎるけど、そんな風に思ってしまうのも、仕方ないかもしれないと思う部分もある。
だから、腹をたてているわけじゃないし、有村さんを怒ってもいない。
「そう思うように話をされたのだから、そう思っても仕方ないですよ!
でも、そうじゃないと思ってくれたなら、それでいいです。」
私の説明は、回りくどくてわかりにくいらしい。
だけど伝わってくれたのか、有村さんはゆっくり顔をあげた。
「思いません!
でも本当に申し訳ありません。
…中田さんにも、余計なことを言ってしまって…。」
「あはは、中田もきっと気にしてないので、大丈夫ですよ。」
「そうでしょうか…。
でも中田さんは山田さんを、すごく信頼なさっているんだなって思いました。」
「そうだといいけど?」
「絶対そうですよ!」
「ふふふ。
有村さん、中田のことが気になっているんですか?」
「えええ!?
もちろん、仕事では勉強させていただくことばかりで、とても尊敬してますが…。」
まさに、焦りまくりの状態で、顔も赤い。
意地悪しすぎてしまった。
「そうなんですね。」
「は、はい!」
カタンと事務所のドアが開いた。
「ただいま。」
「咲田さん、おかえりなさい。」
「はい、おみやげ。」
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