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「なんだ起きてるじゃないか少年 早く部屋から出てくればいいのに」
「…………」
「ん?どうした?まだどこか痛んだり体調が悪かったりするのかい?」
そういって俺の額に手を伸ばしてくる女性
あまりの驚きにフリーズしていた俺は額にあたる手の感触で再起動する
「は!?えっ!?なにごとであるか!?いったい何をしようとしているのでござろうか?」
あまりの驚きに口調がおかしくなっている
「それだけ騒げるならもう大丈夫だね ご飯が出来ているからついておいで お腹は減ってるんだろう?」
そう言われて忘れていたさっきまでの空腹感を思い出す
次の瞬間
ぐぅぅぅ~
腹ペコ王を連想させる音が静かな部屋に鳴り響く
「早く来たまえ 暖かいのに冷めてしまうよ?」
その音を聞いて顔に隠しきれぬ笑顔を見せながらついてくるよう促してくる
体は正直に空腹を訴えている
別に状況を把握するのは飯を食べた後でも問題ないのではないか
「問題はないな これは仕方のないことなんだ」
誘惑に負けて納得するために声に出して確認すると女性の後についていく
その声を聞いたのか女性は歩みを早める
きっと居間にでもつれていかれるのだろう
多分だけど今 俺の顔を見たら赤くなっている
しかし飯が食えると思っただけで鳴り出す腹もどうなんだ……
自分の体に文句をいいながら歩くが人に会えてよかったと思う気持ちがあった
飯を食いながら話も聞けるだろう
そうすればどうなっているのかもわかるだろう
考えれば考えるほど嬉しくなり笑っていると
「歓迎しよう ようこそ我が家へ」
その嬉しげな女性の声で現実に戻される
なによりもまず…………飯の時間だぜ!!話なんか後回しだ!!
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