変わりゆく日常

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 周りが騒いでくれればそれだけ、相手に視界と音を防いでくれる。  そして、彰吾と俊が行動しようとした瞬間。  物凄い音と同時にとシャッターが爆発した。シャッター前にいた強盗犯の一人が吹っ飛ばされたシャッターに直撃する。  煙が上がる中、煙の中から何かが投擲された。投擲された物は地面に当たると同時にものすごい音と共に光った。  投げ込まれたのは、フラッシュバンだ。  フラッシュバンによって視角と聴覚を奪われた銀行内にいる人達。  だが、彰吾と俊はシャッターが爆発した瞬間目を閉じていた為、フラッシュバンから逃れる事が出来た。 フラッシュバンから逃れた彰吾と俊は強盗犯に突っ込む。  俊は視角と聴覚を一時的に麻痺している強盗犯を殴る、殴られた瞬間強盗犯が吹っ飛んだ。  俊は能力者だ。能力は衝撃波(バースト)、衝撃波を放つことの出来る能力。  衝撃波(バースト)を使えば、大ジャンプや一瞬で最高速度までする事が出来る。だが、俊はランクがCで低い為、相手を殴った時の衝撃を利用した衝撃波を放つことしか出来なかった。  ランクが低ければ、本来の力をしっかり出すことが出来ない。本来なら、近づかなくとも衝撃波を放ち、そのまま相手を吹き飛ばせる。  これがランクCの実力。  彰吾は残り二人を自身の能力、重力(グラヴィトン)を使い、相手を地面に伏せさせる。  重力(グラヴィトン)、重力操作を扱う能力。  重力を自由に操作できる能力者。重力(グラヴィトン)を使えば、自身の周りだけを無重力空間を作ることができ、飛行可能とする事が出来る。  飛行可能とする能力は、全ての能力の中で重力系能力と風系能力の二つしか使えない。  しかし、彰吾もランクCである為、対象に重力の負荷を掛ける以外は出来なかった。  三人を彰吾と俊で制圧すると、煙の中から沙由莉が出てきた。 「あれ? 倒されてる……、あなた達がこの三人を?」 「えぇ、まあ…」  沙由莉は彰吾に近づき、すぐに状況を理解すると彰吾に言う。それを彰吾は答えた。  まさか、ここで東堂に会うとは……と思う彰吾。  そして、沙由莉は気づいた。 「あれ? その制服は今日、行った学校の生徒さん?」 「そうです」 「なぜ、こんなところに?」 「いや、まぁ……。 友人が金を下ろすって事でいたら」 「巻き込まれたって事ですか、なるほどです」 「アハハ……、東堂さんは何故ここに?」
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