変わりゆく日常

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「それでは皆さん、お待たせしました。ただいまのお時間からタイムセールとします! 本日の日替わり商品は17時からなのでお待ちいただいたお客様には大変ご迷惑をおかけしました。では、今日の日替わり商品の卵です! 八個入り1パック150円です!! こちら、お一人様一点のみとさせていただきます。それではどうぞ!」  店員の合図と共に、家庭を支えてきてた屈強なおばちゃん達が我さきと言わんばかりに卵に手を伸ばす。  彰吾は運の良い事に人ごみに紛れ込みなんとか前の方まで行った。  しかし、ここからが勝負。  彰吾も負けじと手を伸ばす、だが、卵はこちらの方には来ない。運良く店員が卵をこちらの方に渡そうとする。  チャンスが来た。  彰吾は卵に手を伸ばす。だが、卵に触れた瞬間横から卵を取られてしまった。 「甘いわね! 貰っていくわ!」  そう言いながらよくいる太った髪が紫色のおばちゃんが、卵をかっさらって行った。  くそ! 後、もう少しだったのにと思う彰吾。  卵が残り半分になっていた、あの一瞬の間に卵がドンドン無くなっていく。ここで彰吾にまた、チャンスが来る。  なんと、店員が後ろの方にいるお客様の為に卵を渡そうとしている。しかもその卵は彰吾の真上にある。  後ろの人には悪いが、こちらも生活が掛かっているんだと思い、彰吾は手を伸ばす。  そして、卵を掴んだ瞬間、横からまた取られてしまった。 「悪いわね! この卵はいただくわ!」  彰吾は卵を潰さない程度にがっちりと掴んでいたハズなのに鬼神の力の如く横から取られてしまう。  やはり、家庭を支えてきているおばちゃんは強い……と思う彰吾。 『今日の日替わりタイムセールの卵はあとわずかです! お早めにどうぞ?!』  店員がなんとも聞きたくない事言う、彰吾は残りわずかの卵を手に入れる為手を伸ばした。 『本日の日替わりタイムセールは終了です! 誠にありがとうございました!』  と、店員が言った。 彰吾は後一歩の所で1パック150円の卵を取り損ねた。 「はぁ……」  深いため息をつく彰吾。なかなか疲れたのに戦果はゼロ、これはかなり痛かった。 「あら? 彰吾ちゃんじゃない」  落ち込んでいると、突然誰かに話を掛けられた。彰吾はその声方を向く。 「どうしたの? 彰吾ちゃん?」 「いや、今日の日替わりの卵を取り損ねて…」
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