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「なぁ、由美?
お前はもしかして、あの小説に纏わる事実を咲良から聞いたのか?」
真っ先に聞きたかったのはこれだ。
俺は我慢できず、朱鷺さんが席を立ったこの隙に事実を確認しようと思った。
由美は俺の問い掛けに対し、やや気まずい表情を浮かべている。
彼女が何も答えなくても、俺はこの表情だけでその返答を予想する事ができた。
「やっぱりな……。
だから由美は、わざわざ俺のいる工房を取材先に選んだのか。」
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