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「……大雅と最後に会ったのはいつだ?」
黙ったままだと余計に気まずい。
話題を選ぶ余裕はなく、俺は頭に浮かんだ疑問をそのまま由美に投げ掛けた。
ふと、パンケーキを口へ運ぼうとしていた由美の手が止まる。
「去年の6月……。」
「えっ?」
「忘れない……。
6月27日の夜だった。」
フォークを持つ由美の手は、悲しみを滲ませながら僅かに震えている。
その様子を見た俺は、深く考えずにこの質問を口にしてしまった事を心底後悔していた。
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