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俊が立ち上がり、有原の隣に行きあいさつをすると有原はそれ無視した。
有原賢次、この学校で唯一のBランク能力者。
能力は電磁操作、磁場を操作できる能力、これにより、少しだけ宙に浮くことが出来る。
何より、相手の磁場を操作することで、+と-を付与する事が出来る。
有原はランクBの為、遠くにいる相手にも磁場操作が可能。
それだけではなく、少しだけ宙に浮くことが出来る。
移動はリニアモーターを同じ原理で動くことが可能。
「なぁ、俺なんかしたか?」
あいさつを無視され、後ろの席にいる彰吾の隣に来て言う。
「さぁな」
なぜ、有原が無視をしたのか彰吾も分からない。
いつもなら「あぁ、おはよ」と軽くあいさつする。
みんなにはあまり知られていないが、有原は真面目で優しいヤツだ。
しかし、有原はクラスで浮いている。
それもそのはず、有原はランクBで他はランクCと一般人。
いじめは無い、ただみんなが有原に声を掛けづらい存在になっているだけだ。
そんな話をしているとチャイムが鳴る。数分後、ガラガラと音と共に担当教師が入った。
教卓に着き、連絡簿を置く。
「おはようございます、それははじめましょう」
教師の掛け声と共にクラス委員長が「起立、礼、着席」と言う。
こうして、今日の授業が始まった。
キーンコーンカーコーンと放課後のチャイムが鳴り、生徒それぞれが部活なり帰宅を始める。
彰吾も帰宅の準備にかかると、
「今日暇か?」
俊が言う。彰吾は今日はバイトも買い物も無い為、断る理由もなく。
「ああ、今日は何もない」
「そうか、妹は何処ヘOVAが届いたんだが見るか?」
「まぁ、暇になったらな」
そう言いながら、帰宅の準備を済まし教室を出る。
教室を出て階段を降りて下駄箱で靴に履き替える。
すると、校庭に何やら人が集まっている。
この光景にデジャブを感じた彰吾。
有名人でも来てるのか?と言う俊。
有名人と言うのはあながち間違いではなかった。
「こんにちわ、天月さん、宮下さん」
爆弾師の事、東堂沙由莉だった。
満面の笑みで彰吾と俊にあいさつをする沙由莉。
こんな人の多い所で挨拶されたら変な誤解を生むに違いないと思う彰吾。
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