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沙由莉を見てクスクス笑う凛花。
なんだ、この二人少し似てるなと思う彰吾。
そしてお茶の話で盛り上がり、いつの間にか17時になっていた。
「あ、そろそろ帰らんと」
「ん、確かに」
「それなら家まで送ります」
「「いや! 近くにある駅まで歩くからいいです!!」」
沙由莉が言うと彰吾と俊は同時に言う。もうあの雰囲気が耐えられないからだ。
沙由莉は「そうですか……」と少しへこんでしまったが、これだけはどうしても回避したい彰吾と俊だった。
テラスを出て彰吾、俊、沙由莉、凛花の四人で正門に向かう。
正門に着くと、凛花が近くの駅までの地図をくれた。
「今日はごちそうさま」
「いいえ、これくらいしか出来ませんが、また今度呼びますので楽しみにしていてくださいね」
「ありがと」
「今度来るときは私も誘ってね?」
凛花が沙由莉に言う、沙由莉はため息をつき「その時がきたらね」と言った。
二人に見送られ、彰吾と俊は近くの駅に向かった。
「楽しかったな、彰吾」
「あぁ、まあな」
実際確かに楽しかったのもある、紅茶の話もできたしな。と思う彰吾。
そんな話をしながら近くの駅に向かう彰吾と俊。
歩いて20分、駅に着き最寄の駅まで電車に乗る。
電車に乗った二人、ちょうど混雑する時間だった。
「おぉう、かなり混んでるな」
「まぁ、この時間だしな」
電車の中で言う彰吾と俊。そんな話をしていると、次の駅のアナウンスが入る。
『次は~野台(のだい)野台(のだい)』
「んじゃ、降りるか」
「あぁ」
電車を降りるため、ドアの近くに行く二人。
「で? どうするんだ?」
「まず、手始めに電車の暴走。このシステムの実験台になって貰う」
「この時間だとかなりの人がいるな。まぁ、俺たちの夢の踏み台にさせてもらおう」
暗い部屋の中、二人の人物が言う。そして、一人がコンピューターのエンターキーを押した。
「さぁ、ショータイムの時間だ……うまく働いてくれよ? ンフフフ」
降りる為にドアの近くに行った二人。
だが、電車は減速せずそのまま野台駅を通過した。
「は?」
「なんで? これ各停だよな?」
彰吾と俊が言う。周りも二人とほぼ同じことを言っている。
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