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友也の申し出で、皓貴には聞かれるまではふたりの関係は話さないでおこうということになった。
会社でも普通に接していてべたべたすることもない。それに慣れてくればややもするとふたりの時間も敬語のままということもある。
「なあ、眞田の好きな作家は?」
休日のショッピングに眞田とふたり本屋に立ち寄って、帰ってから読もうと思った作家の本を探しにきた。
「俺が本読むタイプに見えますか」
「見えない」
「だったら聞かないで下さいよ。それより、休みくらい章弘って呼んでもらいたいな」
愛に比重など求めてはいけないかもしれないが、みため眞田のほうが友也にご執心に見える。
それでも年下の眞田は普段からネックレスやブレスをつけてお洒落に装っているし、女性の目を惹くことに変わりはない。そんなことを不安に思う友也の気持ちなどお構いなしなのだから少しくらいはヤキモキして欲しいと大人気ない気持ちになる。
「あった。これなんか面白い、ぞ」
同時に手にした本を見て手の主を見上げれば、休日にデートする皓貴と鷹森だった。
「あ。お前らもここか」
本屋やステショナリーの揃うショッピングビルで買い物をすれば男同士会うこともあるだろうと、皓貴の言葉を不思議には思わなかった。
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