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食べるよ?
おまわりさんのこと。
今は配達とかしてるけど、元ホストなんだってば。けっこうな肉食系男子なんだって。
「どう? クリスマス」
「あの、どうして、僕を?」
そんなの決まってるでしょ。
「ほら、これ、俺の免許」
「……」
「一時停止切符、攻防戦、まだしたいんだ」
「あっ!」
やっぱり忘れてた。
しまったと、肩だけで飛び上がって、慌てて、自転車の中に入っている書類を取ろうとしている。
でも、そんな足で歩けるわけもなくて、すぐにその場に座り込んでしまう。
「だから、待っててよ」
「うぅ~」
「配達終わらせたら、ほら、また続きしようぜ」
「つ、続きって」
「クリスマスデートの相手もいない者同士、面白そうじゃん」
嘘だけど。
ニコッと笑ったら、やっぱり茹でダコみたいに真っ赤になって、言葉すら失っている。
これ、元ホストの営業スマイルとは少し違うからね。
マジで、本気の笑顔だから。
「ね? おまわりさん」
ちなみにこれで落ちなかった女はいないからね。
どうしようかな。
一時停止の切符くらい、もう全然かまわなくて、そんなんいくらでも切ってくださいって感じなんだけどさ。
でもきっと超真面目なおまわりさんはいまだに、本気でそれを注意しようとしてるだろ?
だから、交換条件、どうしょうかなぁって。
キスかな
あー……でも焦らしプレイして涙ぐませたら、最高にツボだろうなぁ。
「な、なんで笑ってるんです?」
「んん?」
そんなの言えないでしょ。
それこそ、俺、逮捕されちゃうじゃん。
おまわりさんを配達用の車に乗せて
チラッと後ろを振り返ったら、あのおっさんはまだこっちを眺めていて
なんでか、ガッツポーズして、両手でバンザイしてくれてた。
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