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辺りに響いた笑いは不気味に木霊しながら静かに消えた。
声が止んだ周囲に腹を抱えながら笑う私は、彼女達に涙を流しながら破顔の表情を向けた。
「え?他の男?
別に誰も本気で好きじゃなかったし
軽く笑いかけてキスすれば相手が簡単に落ちただけだもん
単純だよね
馬鹿みたい
でも真守は別
本当に好きなんだから
…だから邪魔しないで?ね?」
満面の笑みでそう言った私に、女達は言葉を失って絶句していた。
目の前のリーダー格の女は呟く。
「…最低」
なんとでも言えば良い。
あんた達に何を言われようと構わない。
私には真守が居れば良い。
他はいらない。
…雨が降り始めた。
今日も真守は、あの場所に来ているだろうか。
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