第一章

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紙に視線を落として、またため息をつくと、紙をぐしゃぐしゃに丸めて鞄に突っ込んだ。 改めて、足を進める。 『あーめんどくせぇな授業……』 『鈴木君、こっち向けー!!』 また聞こえる心の声。 誰の声だ、これは。そう思って教室を通り過ぎながら見る。 あぁ、多分あの女の人と眠そうな男だな…… 俺には、心の声が聞こえる。 「……うっせ」 少なくとも、きれいなものでは、ない。
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