41人が本棚に入れています
本棚に追加
/178ページ
―――――――
――ガチャ…
「ただいま~!遅くなってゴメ~ン!」
麻友が帰ってきた。
「もぉ~!遅いよ~!」
「ごめんごめん!ひとりで帰ってたら道に迷っちゃって…。」
舌をペッと出して苦笑い。
今、ひとりでって言ったよね?
「ふ~ん。ひとりで寂しくなかった?」
「寂しかったよ!由紀と会えてひと安心した!」
麻友はいつもと変わらない様子だけど、いつも一緒にいる私にはわかる。
麻友、嘘をついている。
もちろん…。
「そっか…。
なんで電車とか使わなかったの?それなら迷わなくて済んだのに…。」
「えっと~…それはご飯が食べたかったからだよ!イタリアンのお店、美味しかったー!」
「ひとりでイタリアン?」
「そうだよ?」
麻友はあたかも普通だよって顔をしていた。
本当にひとりで?
「そうなんだ。」
いつもと違って乾いた会話が続く。
最初のコメントを投稿しよう!