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静寂が訪れる。
先にその時間を破ったのは私。
「ねぇ、麻友?」
「なぁに?」
とちょっと甘えた声。
「今日、本当にひとりで帰ってきたりご飯食べたりしたの?」
私は無意識のままに「ひとりで」という言葉を強調して言っていた。
「ちょっと、由紀?
もしかして私のこと疑ってるの?」
麻友の表情が一瞬にして曇った。それは焦りが混ざっているようにも見えた。
「いや疑ってはないよ?…でも…。」
「でも?」
「麻友、centerの"恋愛禁止"覚えてるよね?」
――恋愛禁止、それはcenterの中での決まり事となっていて、それを破ることはcenterでは許されていない。
「そ、そんなの…。やっぱり由紀、疑ってるじゃん!!」
ますます焦っているように見えた。
「わ、私は麻友のことを思って…!」
「もう由紀、知らない!私寝るから!」
完全に麻友を怒らせちゃった。
でも麻友のためを思って言ったのは本当。
だって……。
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