現実

6/20
前へ
/178ページ
次へ
――――――15分前 「麻友、まだかなぁ~。」 心配でジッとしている事が出来なくなった私は軽い散歩も兼ねてホテルの1階まで降りていた。 すると、フロント付近から声が聞こえてきたので、目を向ける…。 あ…。麻友じゃん!それと横にいる人は…。 麻友の横には今まで私が見たことない男性が立っていた。 スタッフでもなくて…。 麻友の昔の友人にはあんな人はいなかったと思うけど…。 私は本能的に物陰に隠れた。 しばらく麻友は笑顔で話していた。 作り笑いとかじゃなくて、素で笑顔。 なんか今まで見たことないような笑顔。 それから2人は真面目そうな顔つきになって、麻友が照れたような表情になって…。 そしたら、男の人が大声を出して喜んで。 そっと私は聞き耳を立ててみる。 麻友の口から発せられた言葉は 「今日は本当にありがとう!楽しかったよ!」 普段は麻友が出さないほど大きな声で 麻友、道に迷ったんじゃないの…? 私はすぐにcenterの掟でもある"恋愛禁止"を思い出した。
/178ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加