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電車が開くと福岡のみ熱風が押し寄せてきた。
その地を坂本と俺は徐々に増えていった乗客の波に飲まれながら、慌ただしくもしっかり踏み出した。
「うわ~っ、やっと着いたな、福岡!」
と本当に田舎者丸出しな俺と坂本は高くそびえるビル群を見上げながら圧倒されていた。
三連休初日の今日は人の多さは尋常じゃなかった。
田舎暮らしの俺と坂本は少なからず、都会という言葉に魅せられていた。
家族で旅行に行った時もそうだったが、あまりに自分の住んでいる光景と違いすぎてキョロキョロして…今思うと恥かしい。
「無事に着いたのは良いとして、まだ昼前だしどうする?」
ホテルまでの時間はたっぷりある。せっかくの小旅行だからゆっくり福岡の町並みを楽しむのも悪くはない。
「腹減ったし、福岡の美味しいお店でも行こう。
確かこの近くにショッピングモールがあったはず…。」
「おお!いいな。ショッピングモールなら色々お店もあるし!」
そう言うと坂本はポケットから最新の携帯、スマートフォンを取り出した。
俺は相変わらずのガラケーであり、スマートフォンがだんだんと普及し始めている今、時代の変化を感じさせる。子供の頃に誰しも思い描いたであろう、空飛ぶ車もそう遠くはないのかもしれない。
手慣れた操作で坂本はそれを扱い、ちょっと危なっかしいが坂本のナビゲーションでショッピングモールに行くことにした。
後から思えば、このショッピングモールが全ての始まりだった…。
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