きっかけ

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もう、麻友以外全く俺の視界の中には入ってなかった。 周りのファンとか、警備員とか、ここが何処だとかどうでもよくなった。 そして体の芯がやけに熱い。 「あ、あの~。昨日の…将慶君…ですか?」 キラキラしている黒い瞳を輝かせながら上目遣いを使い、首を傾けながら周りに聞こえないように小声で聞いてきた。 首を傾けたと同時に揺れる黒く綺麗な髪。 肌が真っ白でかなり綺麗。 すべてが完璧。 これがアイドル。 テレビの時も十分可愛いけど、生で見ると…もっと可愛い…。 「はい。将慶です。はい。」 「よかった!携帯、間違えて持ってますよね?」 「あ、え、うん。」 あれ?なんでだろう…。視界がボヤけてきた? コンタクト取れかけてる? そして、地震かと思ったら俺の足がガタガタしているだけ。 「…う……し…か?」 麻友の声が聞こえない。 あれ? なんで? 「…い……ょ……?」 ん?何だって?聞こえないよ…?。て思ったら頭がヤベェ。クラクラ…。 ……って…。
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