アイドル、俺

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―――――――― 「う~ん。なかなか来ませんねー」 麻友は「なんでだろう」といった表情をして俺の携帯を見つめていた。 「もしかして…打ち間違えたのかも…。」 「あっ…。確かにその可能性もありますね…。」 今、この会話の経緯説明すると 麻友の方にはプリクラがメールで届いたのに、俺の方の携帯にはメールが届かないという状況だ。 「あ~あ。マジかよ…。」 せっかく麻友と撮ったプリクラ…。携帯に入れときたかった…。 「あと5分!あと5分待ってみましょう! きっと何かの間違いで遅くなってるだけですよ! ね?大丈夫!きっと来ますって!」 この麻友の「あと5分」がこれで3回目。麻友の気遣いがホント嬉しかった。 でもやっぱり5分たっても来ない。 「あーもう!やっぱり来ない!」 「……ですね…。」 ちょっと麻友はシュンと残念そうと言うか、申し訳なさそうな顔になる。 「あ、でも麻友は何も悪くないからね! 俺が打ち間違えたのが全部悪いんだから!」 「……。」 「うん、俺が悪い。うん…。」 折角いい雰囲気だったのが、一気にお通夜状態になった。
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